2018年 01月13日

なぜ日本のごみの分別は厳しいのか?

新しい土地に引越して、まず確認するのがゴミの日。
引越しはゴミが沢山出ますから、なによりもまず先にゴミを捨てたい!という人も多いはず。
しかし市町村から配られるゴミカレンダーの分別の多さに疲れが倍増…
なんて経験をした事がある方も多いのではないでしょうか。

日本人でさえその調子なのだから、これが異国からやってきた人にはどう映るのでしょうか。
実際、外国人が日本で暮らし始めて一番初めにぶち当たる壁が、ごみの分別だと言います。
「何をどこに捨てたらいいのかわからない」「細かなルールが多すぎる」など、外国人にとって日本のごみの分別はとにかく厄介で難しいことだらけのようです。
実際、外国に旅行に行くとそのゴミ箱のシンプルさに驚きます。
普通のゴミ、そして瓶&_缶、という二種類のことが多いでしょうか。
そのような環境から日本へ来たら、きっとその複雑さに発狂しそうになってしまうことでしょう。

日本のゴミ捨てに関するルールや分別の多さは、もはや世界トップクラス。
では、なぜ日本はゴミの分別にここまで厳しくなってしまったのでしょうか?
それには、いくつかの要因がありました。

まず、1990年代のエコへのシフト。
この頃日本ではダイオキシン問題が取り沙汰されました。
それまで可能だった家庭内での焼却炉の使用が禁止され、最終処分場の減少問題が議題にあがりました。
その後1997年には京都議定書が締結され、温室効果ガスの総排出量の削減が決定。
これまでの大量生産・消費から「エコ」へ日本全体がシフトした時代なのではないでしょうか。
この時代に子供時代を過ごした人は、現在30代・40代を迎えています。
学校などでゴミ問題について学ぶ機会が多くあった、初めての世代かもしれません。
そこで細分化するほどエコという教えが広まっていったような気がします。
ペットボトルの周りのシールを剥がす、書類のホチキスの針をわざわざ取って分別する…などの面倒な作業を学校で「学習」した世代が出てきたのが1990年代でした。

さらにそこに日本人のルールに厳しい国民性がプラス。
もちろん欧米にもゴミ捨てのルールはありますが「まあいっか」と思えるような国民性があるので厳密に守らない人が凄く責められるようなことはありませんし、そこまで他人の目を気にしているようにも思えません。
しかし日本人はルールはルール、守れない人は常識がない、と考えてしまいがち。

さらにさらにそこに日本特有の「過剰包装」が乗っかってきます。
確かに1日買い物をして帰ってくると、買って来た品物を開けるのも一苦労。
全て開けた後には大量の包装のゴミが発生してしまいます。
包装の数も種類も外国に比べて多いので、分別が必須になってきたのかもしれません。

このような様々な原因が複雑に絡まって出来上がっている日本のゴミ分別事情。
廃棄物の処理で一番お金がかかるのが物流で、分別を細かくすればするほど回収のためのトラックを走らせなければならないのでその分を減らすべきだという考えもあります。
最近は焼却炉も性能が上がり、あまり分別をせずにゴミを燃やせるところも出てきました。
今すぐには無理かもしれませんが、もう少し技術と考えが進んでいけばもしかしたら今のような厳しい分別はなくなるかもしれません。
日々のストレスを減らすためにも、もう少し簡単な分別が当たり前になるといいですね。

(via MADAME RIRI

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